君と優しさはずるい
第5章 After Time
2人が1階へ行くと星菜の泣き声が聞こえてきた
「うッグスッ…ヒクッえ〜ん…グスッ泣」
そして和室へ行くと優兄が星菜の上半身を抱っこして慰めていた
「せな〜?颯真兄と真凰が来てくれたよ〜!頑張ったしてもらおうな〜」
颯真兄は泣いている星菜に躊躇なく近づいて優兄から抱っこを変わって慰めた
「せな〜?頑張ったね〜お兄ちゃんがよしよししてあげるからね〜」
颯真兄は星菜の涙を親指で拭ってそのまま頭をポンポンと撫で思いっきりギューッと抱きしめた
「颯真、俺ちょっとお風呂入ってくるからしばらく星菜みてて」
「おっけ〜!まおもこっちにおいで〜?」
優兄はそう言って俺の頭をポンポンとしてお風呂場へと向かった
俺は恐る恐る星菜に近づいて頭を撫でた
「良かったな〜せな!まおくんがせなをよしよししてくれたよ〜!兄に達と一緒に早く泣きやもうな〜」
「ヒクッ…ま…お…?…グスッ」
颯真兄の胸に顔を押し当てて泣いていた星菜がこっちを向いた
「ん?どうした?まおだよ?」
「ヒクッ…まお…グスッ…悲しそう…ヒクッ」
「大丈夫だよ?まおくんはせなが泣き止んでくれたら嬉しいな〜」
星菜の頭を優しく撫でながらそう言った
すると星菜もだんだん泣き止んできた
タイミングよく母さんが星菜の夕食と薬を持ってきた
「せな大丈夫?これご飯だけど無理して食べちゃダメよ〜、お薬はちゃんと飲んでね」
そう言って母さんはまたキッチンに戻って行った