
ミニチュア・ガーデン
第6章 喪失した道
ああ、そうか。とガルクは気づく。
快感に流された中でも、何か違和感のある性交渉だった。その違和感の正体がようやく解った。
全裸になるだけでもパニックを起こす為に、タオルで体を拭いている彼が、その間は非常に神経質になると言うのに、何の抵抗もなく服を脱いだのか。怯えた表情はしても基本的に表情の薄い彼が、なぜ性行為に興奮したような扇情的な表情をしていたのか。
それは全てショー、言わば演技だったのだ。
胡麻を摺る声も、有益だと思わせる力も、賄賂を贈る金もない彼が、死に物狂いで習得した、相手を喜ばせて夢中にさせるセックス。
ラークを虐げた薄汚い大人と同じだと認識されたのだと、ガルクは気づく。つまり、彼とはもう何十年かかっても心を通わせる事が出来ないと言う事だった。
無表情で自分のを拭いている彼に、ガルクは抱きつく。細い体は腕の中でビクリと強張り、振り向いた瞳に宿る恐怖の色に絶望する。
「ラーク、聞いてくれ。俺は、お前を愛してるんだ。本当は、お前を愛してるんだ」
ギュッと抱き締めると、彼は応える様にガルクを両腕で抱き止める。
理解して、受け入れてくれたものだと顔を上げると、またキスをされた。一瞬は愛に応えるキスなのだと思った。だが、それはあまりにも事務的なキスで、心は遠く離れているのだとまざまざと見せつけた。
快感に流された中でも、何か違和感のある性交渉だった。その違和感の正体がようやく解った。
全裸になるだけでもパニックを起こす為に、タオルで体を拭いている彼が、その間は非常に神経質になると言うのに、何の抵抗もなく服を脱いだのか。怯えた表情はしても基本的に表情の薄い彼が、なぜ性行為に興奮したような扇情的な表情をしていたのか。
それは全てショー、言わば演技だったのだ。
胡麻を摺る声も、有益だと思わせる力も、賄賂を贈る金もない彼が、死に物狂いで習得した、相手を喜ばせて夢中にさせるセックス。
ラークを虐げた薄汚い大人と同じだと認識されたのだと、ガルクは気づく。つまり、彼とはもう何十年かかっても心を通わせる事が出来ないと言う事だった。
無表情で自分のを拭いている彼に、ガルクは抱きつく。細い体は腕の中でビクリと強張り、振り向いた瞳に宿る恐怖の色に絶望する。
「ラーク、聞いてくれ。俺は、お前を愛してるんだ。本当は、お前を愛してるんだ」
ギュッと抱き締めると、彼は応える様にガルクを両腕で抱き止める。
理解して、受け入れてくれたものだと顔を上げると、またキスをされた。一瞬は愛に応えるキスなのだと思った。だが、それはあまりにも事務的なキスで、心は遠く離れているのだとまざまざと見せつけた。
