
ミニチュア・ガーデン
第6章 喪失した道
アシヤに到着し、ガルクは二人を置いて違うコーナーへと向かう。
フェイクはラークに先を歩かせ、読みたい本は無いかと尋ねている。彼は恐る恐る、と言った歩調で進み、そろりと一冊の本を手に取る。
「これが欲しいのかい?」
フェイクとしては、彼が迷わずに本を選んだ事と、それが魔道専門書である事が意外で、そんな風に言ってしまう。すると、ラークはそれを否定と捉え、サッと引っ込めてしまう。
「いや、良いんだよ。それも買うから」
フェイクは慌てて彼を止め、その本を持つ。それはラークにとっては予想外の出来事で、軽くパニック状態になってしまい、頭を抱えてしゃがみ込んでしまう。
「ごめん、驚かせたかい? 私は怒ってないよ?」
頭を抱えたまま小さく震えて動かなくなってしまったラークにフェイクは慌て、しゃがんで背中をさするのだが、まだまだ軽いフラッシュバックに混乱しているため、反応はない。
店の反対側に移動していたガルクは、それを見て反射的に踵を返す。これが家ならば問題ないが、他人の居る店内では何にどう反応するのかが判らないからだ。
「……何をしているんだ?」
冷たく蔑む様に、ガルクは二人に声をかける。
本当はもっと優しく言ってフェイクと一緒に彼を励ましたかった。だが、それは出来ない。
「ああ、良かった。これ、買って来てくれないか? ちょっと具合悪くなっちゃったみたいでさ」
フェイクは言って本を差し出し、ガルクが受け取ったのを確認して、ラークを立たせようと励ましながら細い体を抱える。
強張ってふらつくラークを支え、フェイクは入り口にあるトイレへ向かう。落ち着くまで他の干渉を遠ざけようとしているのだ。
ガルクはそれを眺め、そういう判断をするほどにラークはフェイクの前でパニックを起こしたのだと知る。
フェイクはラークに先を歩かせ、読みたい本は無いかと尋ねている。彼は恐る恐る、と言った歩調で進み、そろりと一冊の本を手に取る。
「これが欲しいのかい?」
フェイクとしては、彼が迷わずに本を選んだ事と、それが魔道専門書である事が意外で、そんな風に言ってしまう。すると、ラークはそれを否定と捉え、サッと引っ込めてしまう。
「いや、良いんだよ。それも買うから」
フェイクは慌てて彼を止め、その本を持つ。それはラークにとっては予想外の出来事で、軽くパニック状態になってしまい、頭を抱えてしゃがみ込んでしまう。
「ごめん、驚かせたかい? 私は怒ってないよ?」
頭を抱えたまま小さく震えて動かなくなってしまったラークにフェイクは慌て、しゃがんで背中をさするのだが、まだまだ軽いフラッシュバックに混乱しているため、反応はない。
店の反対側に移動していたガルクは、それを見て反射的に踵を返す。これが家ならば問題ないが、他人の居る店内では何にどう反応するのかが判らないからだ。
「……何をしているんだ?」
冷たく蔑む様に、ガルクは二人に声をかける。
本当はもっと優しく言ってフェイクと一緒に彼を励ましたかった。だが、それは出来ない。
「ああ、良かった。これ、買って来てくれないか? ちょっと具合悪くなっちゃったみたいでさ」
フェイクは言って本を差し出し、ガルクが受け取ったのを確認して、ラークを立たせようと励ましながら細い体を抱える。
強張ってふらつくラークを支え、フェイクは入り口にあるトイレへ向かう。落ち着くまで他の干渉を遠ざけようとしているのだ。
ガルクはそれを眺め、そういう判断をするほどにラークはフェイクの前でパニックを起こしたのだと知る。
