
雨とピアノとノクターン
第1章 出会い編:金髪の野良猫
結局、お互いの「何か」に惹かれあってこうして一緒に暮らしている。その「何か」はきっと、そのうち判るだろうけれど…。
「……佐屋、先に学校行くんだろ、また…」
生徒会執行部の打ち合わせが毎朝8時から15分程度あるため、僕は鳴海と別々に登校していた。
「…たまには早く登校して、教室なり、図書室なりで予習でもどう?」
僕は鳴海をからかってみる。
「だ…誰がかったるい勉強なんかすっかよ…。でも…まぁ…せっかく一緒に住んでるんだし、お前と一緒に学校行くのも…悪くないかも…」
予想外の返事だった。拾ってきた当初の獰猛な野良猫は、僕の前で従順になっている。
それがなんとなく…可愛い。
「あ…佐屋様!」
「ラッキー♪朝から佐屋様に会えた」
「…え?隣にいるパッキン、誰?」
「ホントだ…なんか、不釣合い…」
周囲から女子の好き勝手な囁きが聞こえて来る。その囁きを聞いて、初めて僕と己の立場を知った鳴海。
…佐屋って、すげー人気だったんだ…。
し…っかし…言いたいこと言いやがって!!
すげー差別じゃん!!
ムスっとしながら、鳴海は学生鞄を背中で振り回す。
「ガラ悪~い!」
「サイアク…」
「佐屋様、大丈夫かしら?」
鳴海は突然、足早に僕の前を歩き始めた。周囲の雑音ですっかり気分を悪くしたらしい。
「…鳴海、気にするな。そんなことにいちいち反応しなくていい…」
「…オメーはいいだろうよ?みんなお前のファンじゃねーか?面白くねー」
「……佐屋、先に学校行くんだろ、また…」
生徒会執行部の打ち合わせが毎朝8時から15分程度あるため、僕は鳴海と別々に登校していた。
「…たまには早く登校して、教室なり、図書室なりで予習でもどう?」
僕は鳴海をからかってみる。
「だ…誰がかったるい勉強なんかすっかよ…。でも…まぁ…せっかく一緒に住んでるんだし、お前と一緒に学校行くのも…悪くないかも…」
予想外の返事だった。拾ってきた当初の獰猛な野良猫は、僕の前で従順になっている。
それがなんとなく…可愛い。
「あ…佐屋様!」
「ラッキー♪朝から佐屋様に会えた」
「…え?隣にいるパッキン、誰?」
「ホントだ…なんか、不釣合い…」
周囲から女子の好き勝手な囁きが聞こえて来る。その囁きを聞いて、初めて僕と己の立場を知った鳴海。
…佐屋って、すげー人気だったんだ…。
し…っかし…言いたいこと言いやがって!!
すげー差別じゃん!!
ムスっとしながら、鳴海は学生鞄を背中で振り回す。
「ガラ悪~い!」
「サイアク…」
「佐屋様、大丈夫かしら?」
鳴海は突然、足早に僕の前を歩き始めた。周囲の雑音ですっかり気分を悪くしたらしい。
「…鳴海、気にするな。そんなことにいちいち反応しなくていい…」
「…オメーはいいだろうよ?みんなお前のファンじゃねーか?面白くねー」
