テキストサイズ

あさいらむーんのひとりごと

第60章 2025年11月

「お馴染みさん」 その2



お互い顔馴染みの相手だったらまだ話しやすいんだけど、たまに一方的に顔を知ってくれている人もいてる

「こないだはありがとうね、ところであれからここで困ってて……」

て声をかけられたとき、頭の中はグルグル回転して“この人何だったっけ???”てなってるときも何回もある


こないだもそのパターン

“ああ、思い出した!”
てときは気持ちいいんだけど

最後まで誰かわからなかった場合はとても消化不良


エンジン草刈機の人だったか?
電気のバリカンの人か?
いや、ブロワーかもしれない


先だってのチェンソー故障の人のはやはりピストン焼け付きで、メーカーパーツ終了モデルだった人もお馴染みさんだったので残念だった


あらたに似たような症状の別の人がきた

初爆がまったくない、あまり使われてないようでとても綺麗な状態なんだけど、うんともすんとも言わない

その人の目の前で簡単にバラしてみて、手持ちの新品パーツと交換しても改善しない
“ああ、この人のも焼き付きか”と諦めた

こちらのモデルはまだメーカー対応してるからもしかしたら修理依頼に出せるかも?という話しをしたものの、やはりメーカーに出すと高額なので

「キミに預けるからちょっと診ておいて
 ダメでもいいから」
と言われた

そこまであてにされても困るんだけどな
工房の人間じゃないんだから
まぁ、顔馴染みなので任すよと言った雰囲気だった

仕方ない

その日は念の為キャブレタークリーナーをかけておいた

翌日、もういっかいバラしてみる

今度はキャブレターも外して、洗浄していく
キャブもエレメントもめちゃくちゃ綺麗なんだよなぁ

燃料タンクから針金使って燃料ストレーナーを引っ張り出す

んー、ちょっと劣化した色合い
これは換えどきだな

チューブもグロメットもキズ無し
マフラーも綺麗なもんだ

再度組み立ててみて、点火プラグは交換

さらに気持ちちょびっとだけレンチを固めに締めてみた

ブルンッッ!!!

おお、一発でかかったじゃん!?

なんで昨日かからなかったんだよッ!?

10分ほどアイドリング
冷やしてから1時間後に再始動
またまたアイドリング

大丈夫そうだ

おじさんは喜んで取りに来たわ!
消耗品だけで済んで良かったね


ストーリーメニュー

TOPTOPへ