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🥀Das Schloss des Todes🥀

第1章 mein Prinz



私の名前はクララ。
ドイツ第2の都市であるハンブルクで生まれの永遠の14歳。
三代バレエ作品の1つ「くるみ割り人形」が大好きで、3歳からママにバレエを教わって、10際の時にハンブルク・バレエ学校に入学した。
家族構成は、ピアニストを目指していた二つ歳上の優しいお兄ちゃん、バレリーナのママ、ピアニストのパパの4人家族。
パパとママはお見合いで知り合ったけど、きちんとした恋愛を経て結婚したみたい。
一家揃って音楽好きで、お休みの日は時々、バレエ公演やクラシックコンサートに連れて行ってもらった。
決して裕福な家では無かったけど、パパがアルコール中毒になって、ママに暴力を振るうまでは、本当に幸せな家庭だったと思う。

パパがお酒で駄目になった理由は、ジストニアっていう病気のせい。字を書く時のみ異常に手指に力が入って文字が書けなくなったり、いつものように鍵盤を叩く事が出来なくなったって。

病院の医師には、指の酷使が原因で職業を変えた方が良いって言われたの。逆境に立たされたパパは懸命にリハビリを続けたけど、ピアノは全然弾けなくなってしまった。

それでパパはピアノに見向きもせず、昼間からお酒ばっかり飲むようになった。

自主練習しているお兄ちゃんに、「煩い」と暴言を吐くようになった。

ママと口論する事も増えた。

私もパパに怒られるのが怖くて、家の中でバレエを踊れなくなった。


音楽をこよなく愛していたパパとは思えないぐらい落ちぶれて、見る影も無くなった。



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