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恋人は社長令嬢

第7章 金より地位より欲しいモノ

「瞬は…私の為に、働いてるの?」

『ん?うん。』

「自分の為には、働いてないの?」

『え?いや、それはそうなんだけど……何て言うのかな……』

「瞬!私ね!!」

『は、はい!聞いてます。』

急に敬語になる瞬。

「オーボエ奏者になりたいの。」

『あ、ああ……知ってるよ。』

「それを職業にするって、いけない事?」

『えっ?』


余程怪しい商売なら反対もするが、オーボエ奏者と聞いて、瞬は全くそう思わない。


「確かに、大学を出たって、なれるかどうか分からないし。なっても、どれくらいのお金を貰えるか、分からないし、他の楽器みたいに、知名度が高いわけじゃないし……」

『そうなんだ。』

「それでも……なりたいって思うのは、なる為に努力するのは、無駄な事?」

梨々香の質問には、さすがに参ってしまう。

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