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シャドー鳥インフルエンザ編

第1章 ゾンビが発生した。

同期の看護師、坂東久美子が、辺りの様子がおかしいと思ったのか、伊藤恵令奈に話かけた。

「ねえ、伊藤さん!中廊下も集中治療室もモニターの画面が、落ちてるわよ」

「ええ、おかしいわね、午前9時にシャットダウンするなんて」

整形外科病棟内では、ナースステーション内は、勿論の事、中廊下、集中治療室、個人部屋、四人部屋、に至るまで、24インチのモニターが設置されていた。コンピューターの名前は、「クイーン」と呼ばれていて、モニターの画面には、世話好きそうな美人の看護師が、対応してくれるシステムとなっていた。また、キーボードで入力すれば、瞬時に病院内の情報を得ることも出来た。

コンピューターが、シャットダウンされる時間帯は、基本的に1日、1回で、AM3時以降とされていた。ところが、午前9時の時間帯で、コンピュータークイーンの画面が、消えていたのだ。

3年前に、整形外科病棟が新規にオープンした際に、医師や看護師を始め、病院内の関係者は全員、新型コンピューターについて、システムエンジニアから、詳しく説明を受けていた。

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