
シャイニーストッキング
第8章 絡まるストッキング7 本部長大原浩一
179 律子との電話 ⑨
「もしもし…」
『あ、律子です、今お電話大丈夫ですか?』
「あ、うん、大丈夫だよ」
そう冷静を装って電話に出たのであるのだが、やはり律子の声を聞いた瞬間になぜか心が高鳴り、昂ぶってくるのである。
そして少し違和感も感じたのだ。
「うん、どこかに出掛けているのか?」
そう、律子の声の後ろが少し賑やかなのである。
『はい、わかりますか今「夢の国」にいるんです
そう言ってきたのだ。
『夢の国』
ついこの前、律子に誘われて行った…
あの情景が蘇ってきていた。
そういえば律子は『夢の国』の年間パスポートを持って年中通っていると言っていた…
「ああ、そうなんだ…」
『はい、そうなんです』
「誰と行っているんだい?」
そう訊いた瞬間に、
しまった、愚問だ…
と、咄嗟に思う。
『え、一人…ですけれども』
と、律子は少し、含みを保たせるかの様な感じで応えてくる。
しまった…
『あ、え、もしかして…と、思ってくれたのかしら』
さすが律子であった、そんな私の失言的な事は聞き逃さない。
「い、いや、そういう訳じゃなくて…」
どうも私は、ゆかりといい、この律子といい、この二人の美女達からはなかなか主導権が取れない様なのである。
そもそもが、よく一人で年中この
『夢の国』に通っているって言っていた筈じゃないか…
『うふ、もしかして誰かと一緒なのかもって、少しだけ嫉妬してくれたのかしら…』
と、そう嬉しそうに囁いてきたのだ。
ある意味、聡明な女はこわい…
こうしてちょっとした事で瞬く間に弱みを握られてしまう。
さっきのノンに対して、一瞬抱いた嫉妬心のせいからの失言といえると思われる。
「う、うん…」
肯定も、否定もしなかった。
『いつもお盆休みには最低でも一度は来てるんです…でも…』
でも…、なんだ?…
『でも、今回は…
ダックの姿を見たら、アナタの事が思い浮かんでしまって…
つい、電話しちゃったんです…』
ザワザワザワザワ…
ドキドキドキドキ…
その律子の『アナタ』という言葉を聞いた瞬間に、一気に心が騒めき、昂ぶり、高鳴ってきたのである。
ダックの…
アナタの事が…
「もしもし…」
『あ、律子です、今お電話大丈夫ですか?』
「あ、うん、大丈夫だよ」
そう冷静を装って電話に出たのであるのだが、やはり律子の声を聞いた瞬間になぜか心が高鳴り、昂ぶってくるのである。
そして少し違和感も感じたのだ。
「うん、どこかに出掛けているのか?」
そう、律子の声の後ろが少し賑やかなのである。
『はい、わかりますか今「夢の国」にいるんです
そう言ってきたのだ。
『夢の国』
ついこの前、律子に誘われて行った…
あの情景が蘇ってきていた。
そういえば律子は『夢の国』の年間パスポートを持って年中通っていると言っていた…
「ああ、そうなんだ…」
『はい、そうなんです』
「誰と行っているんだい?」
そう訊いた瞬間に、
しまった、愚問だ…
と、咄嗟に思う。
『え、一人…ですけれども』
と、律子は少し、含みを保たせるかの様な感じで応えてくる。
しまった…
『あ、え、もしかして…と、思ってくれたのかしら』
さすが律子であった、そんな私の失言的な事は聞き逃さない。
「い、いや、そういう訳じゃなくて…」
どうも私は、ゆかりといい、この律子といい、この二人の美女達からはなかなか主導権が取れない様なのである。
そもそもが、よく一人で年中この
『夢の国』に通っているって言っていた筈じゃないか…
『うふ、もしかして誰かと一緒なのかもって、少しだけ嫉妬してくれたのかしら…』
と、そう嬉しそうに囁いてきたのだ。
ある意味、聡明な女はこわい…
こうしてちょっとした事で瞬く間に弱みを握られてしまう。
さっきのノンに対して、一瞬抱いた嫉妬心のせいからの失言といえると思われる。
「う、うん…」
肯定も、否定もしなかった。
『いつもお盆休みには最低でも一度は来てるんです…でも…』
でも…、なんだ?…
『でも、今回は…
ダックの姿を見たら、アナタの事が思い浮かんでしまって…
つい、電話しちゃったんです…』
ザワザワザワザワ…
ドキドキドキドキ…
その律子の『アナタ』という言葉を聞いた瞬間に、一気に心が騒めき、昂ぶり、高鳴ってきたのである。
ダックの…
アナタの事が…
