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シャイニーストッキング

第2章 絡まるストッキング1

 87 佐々木ゆかりチーム

「ええっ、部長ぉって…」
 突然後ろから笠原主任の驚きの、そう、まるで悲鳴の様な声がしたのである。

「ああ、笠原さん、そうなんだよ…」
「もお、ゆかりさん、すごいわよぉ」
 と、つい、笠原主任はおばさん口調で驚いてきたのだ。

「笠原主任、ありがとうございます」
 ゆかりはそう言った。
 確かにこの昇進に驚かない人はいないであろう、だからこそ、これからが大変なのである。
 しばらくは、ひがみ、やっかみ、嫉妬からのあらぬ噂や、このコールセンター部に対しての嫌がらせ等もあるかもしれない。

 そしてまた、これから始まるこの
『新規事業準備室』
 に対しても、何かを仕掛けてくる輩がいるかもしれないのだ。

 だが、チラと話したのだが、どうやらゆかりはその事に対しては既にわかっており、覚悟も決まっているようなのである。
 そして私も其れ等から全力で守ってやるつもりだ。


「あっ、驚いて、忘れてしまったわ、新しい方々が第2会議室に…」
 皆が出勤してきたらしい。

「そうか、じゃあ、行くか」
 会議室へと向かう事にした、後ろからゆかり新部長、蒼井美冴が着いてくる。


『新規事業準備室』の仮の部屋として第2会議室に集まった面々は…

 大原浩一本部長

 佐々木ゆかり新部長

 総合職として
 越前屋朋美、武石健太

 システムエンジニアとして
 中島彩美

 新規事業準備室採用
 蒼井美冴
 と、とりあえず6名が集まったのである。

「おっ、佐々木部長、彼女が越前屋朋美くんだ」
 私は彼女を紹介した。

「あっ、佐々木部長、越前屋朋美です、よろしくお願いします」
 満面の笑みでそう挨拶をする。

「ええっ、そういえば、部長って…」
 と、越前屋朋美は、ハッと気付いたように云ってきた。

「あつ、そう、佐々木課長は8月1日付けで新部長に昇進したんだ、正式辞令は明後日だがな、皆、そういうことたから」

「うわぁ、スゲぇ…」 
 と、ゆかりの大学の直の後輩と聞いていた、総合職採用の武石健太が、驚いてそう感嘆の声を漏らしてきたのだ。

「ま、そういう事だから、みんなこれから頑張ってくれ」
 私はそう語った。

 今日これからが、新規事業計画に於ける

『佐々木ゆかりチーム』
  
 実質の、最初のスタートとなるのである。






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