
シャイニーストッキング
第7章 絡まるストッキング6 和哉と美冴2
93 自虐な想い
「じ、じゃあ、わたし、帰るわね…」
わたしは、努めて、精一杯、明るく、普通の声のトーンを意識して、そう言った。
「えっ…」
すると和哉は、覚悟はしていただろうが、動揺の声を漏らし、そして、スッと手を伸ばし、わたしを引き留めようと手を握ってきたのだ。
ああ…
わたしは迂闊にも、その手に心が揺れてしまった。
なぜならば、その握ってきた手の熱さと指の力から和哉の想い、気持ちが痛い程伝わってきたからである。
今夜のこの流れはわたしが全ていけないのよね、まるでわたしが誘ったようなモノだから…
本当にわたし自身が嫌になる…
そんな想いを一瞬のうちに巡らせて、手を握ってきた和哉の目を見つめた。
だが…
しかし…
でも…、帰る、という選択は間違いないではないはず…
これでいいんだ…
これが正解なんだ…
やはり、こんな展開の流れのままで、和哉に抱かれる訳にはいかないんだ…
もしもまた、再びこんな流れで和哉に抱かれてしまったならば、これからの、この先、また和哉を苦しめる事になってしまうと思うのだ。
今夜、既に何度も想い、云ったと思うのだが、本当に、今更なのである…
それなのにわたしはほんのちょっとした事で、そう事故的なストッキング脚へのワンタッチ程度で、こんなに簡単に昂ぶりを覚えてしまい、悪戯に和哉を刺激して、寝ている子を起こしてしまったのである。
全てわたしが悪いんだ…
そんな自虐な想いが高まってきてしまい、本当に和哉に申し訳ない気持ちでいっぱいになってしまっていた。
だけど、本当に今更なのである…
だから和哉の彼女さんからの携帯電話の着信音メロディによって、こうした不惑な思いの昂ぶりからの緊張を解かせてもらい、更にお互いの携帯電話の着信により妖しい流れをも断ち切れる事が出来たのが、正に絶妙なタイミングといえたのだ。
このタイミングを逃す訳にはいかなかった…
逃げるなら、帰るなら、今しかないのだ…
今しか…
「じ、じゃあ、わたし、帰るわね…」
わたしは、努めて、精一杯、明るく、普通の声のトーンを意識して、そう言った。
「えっ…」
すると和哉は、覚悟はしていただろうが、動揺の声を漏らし、そして、スッと手を伸ばし、わたしを引き留めようと手を握ってきたのだ。
ああ…
わたしは迂闊にも、その手に心が揺れてしまった。
なぜならば、その握ってきた手の熱さと指の力から和哉の想い、気持ちが痛い程伝わってきたからである。
今夜のこの流れはわたしが全ていけないのよね、まるでわたしが誘ったようなモノだから…
本当にわたし自身が嫌になる…
そんな想いを一瞬のうちに巡らせて、手を握ってきた和哉の目を見つめた。
だが…
しかし…
でも…、帰る、という選択は間違いないではないはず…
これでいいんだ…
これが正解なんだ…
やはり、こんな展開の流れのままで、和哉に抱かれる訳にはいかないんだ…
もしもまた、再びこんな流れで和哉に抱かれてしまったならば、これからの、この先、また和哉を苦しめる事になってしまうと思うのだ。
今夜、既に何度も想い、云ったと思うのだが、本当に、今更なのである…
それなのにわたしはほんのちょっとした事で、そう事故的なストッキング脚へのワンタッチ程度で、こんなに簡単に昂ぶりを覚えてしまい、悪戯に和哉を刺激して、寝ている子を起こしてしまったのである。
全てわたしが悪いんだ…
そんな自虐な想いが高まってきてしまい、本当に和哉に申し訳ない気持ちでいっぱいになってしまっていた。
だけど、本当に今更なのである…
だから和哉の彼女さんからの携帯電話の着信音メロディによって、こうした不惑な思いの昂ぶりからの緊張を解かせてもらい、更にお互いの携帯電話の着信により妖しい流れをも断ち切れる事が出来たのが、正に絶妙なタイミングといえたのだ。
このタイミングを逃す訳にはいかなかった…
逃げるなら、帰るなら、今しかないのだ…
今しか…
