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シャイニーストッキング

第18章 ほつれるストッキング2          蒼井美冴と松下律子

 39 蒼井美冴(19)

「でもそうよ、あの常務に就任した時かなぁ、一瞬だけ準備室ですれ違い様に見た彼、大原常務の目にさぁ……」
 わたしは馴れ馴れしく、まるで元カノの如くに話しを続けてしまっていた…
 いやそれは、わたしの中で勝手に作っていた、松下さんに対する見えない壁という隔たりが、いつの間にかに崩れ、消え、失くなったという事の表れ。

「……」
 それは黙って小さく頷きながら、わたしを見つめてくる松下さんの目にも、なんとなく同じ様な意味の光りを感じ…
 それが完全にわたしの心を緩ませてきていた。

「そう、彼の目の奥にさぁ、小さいながらのナニかの燻りを感じてぇ…」

「……」

「うん、今、松下さんから聞いて全部理解できたわ…
 アナタというお姫さまを手に入れたからの、彼なりの、ううん、ようやく男の野心に火が点いたのね…」
 と、わたしは松下さんの膝に手を置き、また、脚を軽く絡め、見つめて、そう言った。

 そして、彼女の膝に触れ、脚を絡める…
 それは、わたしの心の解放からの所作でもあり、性癖からの衝動。

 そう、わたしは松下さんのストッキング脚に、フェチとして、そして、同性としての興味を昂ぶらせていたのである…
 つまり、触らずにはいられないのだ。

 触れ、絡め、その感触を確かめ、感じたくなっていたのである…
 そのくらい、松下さんのストッキング脚は美しく、魅惑的であり、堪らない興味をわたしにそそってきていたから。

 そして間違いなく、松下さんはわたしと同類のオンナであると…
 触れた時の目の揺らぎ、微妙な脚の震えから、それは間違いなく感じ取れていた。

「……でね、わたし、チラっと云ったのよ」

「え?」

「常務就任、そして、出世おめでとうってね」

「……」

「でもね、一瞬は、いつものようにキョトンとしたんだけど、その後にね…
『山崎専務の傀儡だから』って、被虐気味には云ってきたんだけどさぁ…」

「か、傀儡…」

「うん、そう、傀儡ってね…
 でもね、わたしはその目の奥にキラッと一瞬光った輝きを、見逃さなかったのよね」

「え…」

「それはそうよねぇ、だって松下さんという素敵で、綺麗で、熱い血脈のお姫さまを手に入れたんだものねぇ」

 わたしは少し嘘を付いた…
 それは、この会話は彼と、ベッドの中で交わしたやり取りであったから。

  

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