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シャイニーストッキング

第10章 絡まるストッキング9      美冴とゆかり

 133 ビアンな朝

 まるで吸い寄せられるかの様に、そのゆかりの唇に口吻をする。
 
 ドキ…ドキドキ…ドキドキドキ…
 心が激しく高鳴り、昂ぶってきた。

 そう、これは、恋だ…
 恋い焦がれる高鳴りと昂ぶりだわ…

「…ぁ…え…」
 するとゆかりが目を覚ます…

 ドキドキドキドキ…
 そして目が合った瞬間、更に激しく高鳴り昂ぶってくる。

 ゆ、ゆかり…
 心でそう囁き、ゆっくりと舌先を押し入れていく。

 あ…ん…
 すると唇が微かに開き、舌先を吸い、絡めてくる。

「ん、んん…」
 そしてゆかりはそう小さく喘ぎ、スッと腕をわたしの首の下に差し入れ、抱き寄せ、抱き締めてきた。

 あ、ああ…

 その唇の、絡まる舌先の感触に…
 抱き締められた感触に…
 そして再び感じてくるその柔らかく、暖かな肌の感触に…

 また、再び心が震え、昂ぶってきてしまう。

「ぁぁ…み、みさえぇ…」
 
「ゆ、ゆかりぃ……」

 わたし達はお互いに横向きに抱き合いながら、また再び夢中になってお互いの唇を、舌を、貪り、吸い、絡め合っていく。

 カーテンの隙間からは、真夏の暑い朝日の輝きが入り込み、ベッドルームの端を照らしていた…

 もうとうに夜は明け、朝になっていたのだ。

 そしてわたしは、夢中になってゆかりの唇と舌を貪るキスをしながらも…

 わたしはそんなに長い時間眠ってしまっていたのか…
 と、少し驚いてもいたのであった。


 それほど…

 これほど…

 同性愛の抱擁の快感と絶頂感は…

 激しく、深いものなのか…

 そしてまた、激しい昂ぶりの割には、心の奥底に心地良い感覚の余韻が残っている事も感じていた。

 そしてわたしはそんな想いをも感じ、考えながらゆかりと唇を交わしながらも…
 お互いを激しく求め合う様な男との恋愛、抱擁、欲望とは、また、違う感覚を感じていたのである。

 女同士は…

 深いんだわ…

 もしかすると…

 底が無いのかもしれないのかも…

 ゆかりを抱き、唇を求め、心を昂ぶり、疼かせ、再び夢心地に…

 いや、心が蕩けそうになってきていた…


 ブー、ブー、ブー、ブー…

 しかし、そんな夢心地から…

 いや、朝の夢からリアルな現実に引き戻すかの様に、携帯電話のバイブレーションの響きが鳴り響いてきた…






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