
戦場のミハイル
第4章 遊撃部隊、北に進む
扉の前に立つ艦長ビクトリヤ・フョドロビナ
妙齢40歳ほどの大人の色気をもった女性
ブロンドでカールさせた髪はモデルでも通用するであろうゴージャスさを併せ持っていた
「いつもスマンな……」
ビクトリヤは辺りを見回しながら滑り込むようにミハイルの部屋へ入った
「……またオルガさんですか?」
「ああ、彼女の偏愛さは尊敬に値するよ、わたしもあれだけ夢中になれたらと思うな」
副長のオルガ・ニコラエビナは30代の優秀な指揮官だ
銀色の髪を後ろにまとめ、オールバックのような風貌がキリリとした冷たい印象を与える
ただ見た目とは異なり熱い女性で、仕事もプライベートも懸命にに取り組む生真面目さだ
そしてオルガ・ニコラエビナはビクトリヤを崇拝していた
オルガが新兵として入隊したとき、すでにビクトリヤは優秀な士官として目立っていた
能力、美貌、新兵たちの憧れであった
オルガもそのうちのひとりだった
同じ大隊、同じ中隊になるたびにビクトリヤを慕って、ようやく同じ小隊に加わったとき、私は姉様に選ばれた!と思ったらしい
ビクトリヤも最初は可愛いらしい妹分として面倒を見ていたが、最近の熱の上げ方は狂信的に思う
皆を取りまとめる立場のビクトリヤだが、こればっかりはプライベートな部分のため大きく注意も出来ないらしい
それでミハイルの部屋に逃げ込むのが常連となっていた
「隊長のほうもまんざらじゃないんですから、受け入れてあげたら良いじゃないですか?」
ミハイルは無表情に突き放す
「ばかもの、ここは戦場であり、職場であり、家族なんだぞ! 私利私欲で職権乱用してどうする」
「もう、みんな理解してるんだからいいじゃないですか、それか一度抱いてあげるとか?」
「……ミーシャ、お前〈カミエーター性聖職者〉のくせに冷たいな!
神職なんだからもっと私にやさしくしろ!」
「同性恋愛はぼくの管轄外ですから、ご自由に」
「隊長がひとりだけ可愛がるのも問題あると思うがな」
「プライベートな時間はどう過ごそうと自由ですよ」
ミハイルは年上の女性が困っている様子がとても可笑しかった
妙齢40歳ほどの大人の色気をもった女性
ブロンドでカールさせた髪はモデルでも通用するであろうゴージャスさを併せ持っていた
「いつもスマンな……」
ビクトリヤは辺りを見回しながら滑り込むようにミハイルの部屋へ入った
「……またオルガさんですか?」
「ああ、彼女の偏愛さは尊敬に値するよ、わたしもあれだけ夢中になれたらと思うな」
副長のオルガ・ニコラエビナは30代の優秀な指揮官だ
銀色の髪を後ろにまとめ、オールバックのような風貌がキリリとした冷たい印象を与える
ただ見た目とは異なり熱い女性で、仕事もプライベートも懸命にに取り組む生真面目さだ
そしてオルガ・ニコラエビナはビクトリヤを崇拝していた
オルガが新兵として入隊したとき、すでにビクトリヤは優秀な士官として目立っていた
能力、美貌、新兵たちの憧れであった
オルガもそのうちのひとりだった
同じ大隊、同じ中隊になるたびにビクトリヤを慕って、ようやく同じ小隊に加わったとき、私は姉様に選ばれた!と思ったらしい
ビクトリヤも最初は可愛いらしい妹分として面倒を見ていたが、最近の熱の上げ方は狂信的に思う
皆を取りまとめる立場のビクトリヤだが、こればっかりはプライベートな部分のため大きく注意も出来ないらしい
それでミハイルの部屋に逃げ込むのが常連となっていた
「隊長のほうもまんざらじゃないんですから、受け入れてあげたら良いじゃないですか?」
ミハイルは無表情に突き放す
「ばかもの、ここは戦場であり、職場であり、家族なんだぞ! 私利私欲で職権乱用してどうする」
「もう、みんな理解してるんだからいいじゃないですか、それか一度抱いてあげるとか?」
「……ミーシャ、お前〈カミエーター性聖職者〉のくせに冷たいな!
神職なんだからもっと私にやさしくしろ!」
「同性恋愛はぼくの管轄外ですから、ご自由に」
「隊長がひとりだけ可愛がるのも問題あると思うがな」
「プライベートな時間はどう過ごそうと自由ですよ」
ミハイルは年上の女性が困っている様子がとても可笑しかった
