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ほしとたいようの診察室

第9章 ひとときの外出


慄きながらもそっと車に乗り込もうとすると、陽太先生が支えてくれる。


「乗れたかな?」


わたしがシートに座れたのを確認すると、丁寧に助手席のドアを閉めた。

間も無くして、陽太先生も運転席に乗り込む。




密室。……2人きり。



そう思ったら、涼しいはずの車内で汗が噴き出る。

動揺を隠せずになかなかシートベルトが上手く閉まらないわたしを、陽太先生は微笑みながら手伝ってくれる。



そのさりげない仕草ですら、慣れない心臓を跳ね上がらせた。



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