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ほしとたいようの診察室

第9章 ひとときの外出




最後に、リップを渡してくれた。


「はい、これでおしまい」


鏡の前、いつもより少しだけはっきりとした顔をした自分の顔に戸惑いつつも、お礼を言う。


「……叶恵さん、ありがとう」


その頃には、もう気持ちも落ち着きかけていた。最後に、自分でリップを引く。
自然なメイクに、リップの優しいピンクがよく合っていた。


「うん、完璧。」


叶恵さんは満足そうに笑って、そう言った。





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