ほしとたいようの診察室
第8章 入院生活は続く
着ていたパジャマのボタンを外す。
ひとつ、またひとつと、ボタンを外す手を早めれば早めるほど、悪いことをしている気分は増す。
そうして全てのボタンをとって、パジャマを脱ぎ去ったとき。なんともいえない興奮が心をくすぐっていた。
……久しぶりの私服を身にまとう。
気分が高揚するのを抑える。
スマホは……いらない。真っ先に連絡が来て、邪魔だろうから。
半袖とジーンズに、帽子を深く被って、ナースステーションを避けて病棟の外へ出る。誰にも見つからないようにコソコソと、しかし平静を装いながら正面玄関へ向かった。
自動ドアをくぐり、夏の熱気の中に身を置いた。
それが、自由への入り口だった。
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