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ほしとたいようの診察室

第8章 入院生活は続く



「どうした? のんちゃん、吐きそう?」


見つめていたら手を止めた陽太先生と目が合った。


「だいじょぶです」



気まずくなって、顔を反対側へ向けて突っ伏す。すると、陽太先生からすぐさま声がかかる。


「ごめん、それだと顔見えなくて怖いから、こっち向いててくれる? それかそっち向きが楽だったら、俺がそっち側行こうかな」


立ち上がろうとする陽太先生の方に向き直した。


「ありがとう。そうしてくれると助かる」


言いつつわたしに笑いかけ、またパソコンに目線を落とす。ときどき、モニターとわたしの顔色を交互に見ながら、病室にはキーボードを操作する音が響く。





「ようたせんせー……」


「ん?」


「もう横になっても良い?」


そろそろ、突っ伏している体勢もきつくなってきた。


「良いよ、でも頭高くして横向きで寝ようか」


言いながら、陽太先生がベッドの頭側を高くしていく。


体を横たえると、さっきより呼吸は楽だった。




「こっち向いて」




陽太先生の方に体を向けて、その衣擦れの音がやけに病室にこだまする。
安静にするしかやることもなくて、陽太先生が仕事をする音を聞きながら、目を瞑った。



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