ほしとたいようの診察室
第8章 入院生活は続く
……
「よーたせんせー……楽になってきたんで、もうだいじょぶです」
突っ伏したままが楽な姿勢で良かった。お互いの顔があまり見えないから。
陽太先生はわたしの顔を覗き込むと、わたしの顔にかかっていた髪の毛をそっと触れて耳にかける。
心臓に悪すぎるその仕草に、陽太先生が触れたその部分から熱が伝わってくるようだった。
「うそ。顔色悪すぎだよ。……なんか、心拍速いね」
誰のせいだと思っているんですか、と言いたい気持ちをグッと堪える。
正確には犯人は2人。
吹田先生と陽太先生である。
『好きなら、なおさら。陽太先生は、のんちゃんの薬だよ』
余計な一言を付け加えた吹田先生を思い出して、ようやく赤面する余裕ができたことに気づく。
はぁー。こんな時になんて一言をお見舞いしてくれたんだと、腹まで立ってくる始末であるが、怒りを表に出せるほどの体力と気力はない。
しかし、強制的に陽太先生に対しての『好き』を自覚させた上で、その本人を目の前に連れてくるなんて、吹田先生もかなり意地が悪い。
鬼主治医だ。
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