ほしとたいようの診察室
第7章 回想、主治医の苦悩
「よし、のんちゃん。おめでとう。のんちゃんの病気の治療は、今日でおしまい」
のんちゃんに向き直って、その目を見て伝える。
俺は、右手を差し伸べた。
「握手しようか、のんちゃん」
もうすっかり抱っこじゃなくなったのんちゃんは、俺の手をとるとほんのり、頬を赤く染めた。
「ここまで、よくついてきてくれました。本当に頑張ったね」
「……うん」
頭を撫でてやると、さらにのんちゃんは俯いた。もじもじと恥ずかしそうではあったが、俯きながら満面の笑みを浮かべている。
俺はそんなのんちゃんが、愛おしくてしかたなかった。
喘息は寛解、血液の病気も完治したのだった。
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