ほしとたいようの診察室
第6章 回想、はじめまして
「ちょっともしもしさせてな」
パジャマのボタンを外して、胸の音を聞いた。
……いまのところは大丈夫。喘息も出ていない。
「……ゆうせんせ…… あつい……」
振り絞るような声だった。
「そっか……熱があるからな。あとは?」
ボタンをはめ直しながら、のんちゃんの声に耳を傾ける。
「のど……いたい……いっぱいいたい」
「うん。のんちゃん、体がつらいと思ったら、ちゃんと教えてほしい」
「ずっといたかったの……きのうくらいから……」
「そっか、我慢してた?」
「ちっくんされちゃうから……」
白状するように、のんちゃんは言った。
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