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田中理沙は、一旦は顔を引っ込めて、別の方向から外を覗き込んだ。見えたのは、ドライブイン山鳥の正面玄関口で、駐輪場に婦人用の自転車が、4～5台止まっていた。自転車があるわ、1台ぐらい走るのないかな、何年も放置されていて、ホコリまみれになっているが、乗れる自転車もありそうだった。田中理沙は、点検口に戻り、再び真理恵のいる厨房に向かった。急がなければ真理恵が危ない、田中理沙は、地下の通路を一目散に走った。カン、カン、カン、カン、カン、田中理沙は地下の階段を、あわてて登っていた。倉庫を走り抜けて厨房の引戸を開けると、真理恵はおびえた顔ををして、厨房の中央に立っていた。真理恵！ここはもう、ダメ、もうすぐ、ドアの鍵が、開いちゃう、えつ！！？佐藤真理恵は田中理沙から、外の状況を説明されて、戸惑った表情をした。こっちよ、地下に通路があるの、八方塞がりの状況だったが、苦労して地下通路を見つけたので、逃げ出す事が出来そうだ。