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「クッキー焼いてたの。お茶飲み相手が欲しいなと思ってたから。ね、付き合ってくれない？」

呆気に取られていた。
この人…想像と違い過ぎる。
いろんな意味で。
成り行きで西条先生とお茶をすることになった。
西条先生は売れっ子作家だからもう少し威張った人だったりするかなと想像していた。
でも実際は気さくで人懐っこいまるで女子大生みたいな女性だった。
案内された部屋は机周りは多少ごちゃごちゃしているもののあとはとても片付いていて、私の部屋よりはよっぽど綺麗だった。

「ごめんね。少し散らかっていて。」

「あ、いえ、私の部屋より綺麗です。」

そう私が素直にいうと西条先生は少し目を丸くする。

「水沢さん、片付け苦手とか？」

「あ、アハハ…」

苦笑いするしかない。