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そして愛へ 「改訂版」

第1章 そして愛へ 「改訂版」

 わたし、進さんにキスをしたいと思いました。進さんは運転中ですのでキスはできないのですが、そう思ったのが恥ずかしくてひとりで赤くなっていました。
 進さんは、午後6時頃に、わたしを先に家に送ってくれまして、レンタカーを返しに行きました。帰ってきましたら、きのうときょうは魚ばっかりだったので、フランス料理を食べにいきましょうと言いました。歩いて十分くらいのところにある、レストランでコック長をしていた人が、自分で思うようなフランス料理を作りたいというので開いた、テーブルが二つだけの小さなお店だそうです。
 「かおりさん、潮風に当たっていたので、シャワーを浴
  びませんか」
 「そうですね」
 「私もいっしょに浴びていい?」
 「えーっ。恥ずかしいな」
 と言ったのですが、いっしょに浴びてもいいと思いましたので、
 「わたし、先に入っていますね」
 と言いました。
 進さんは、わたしにあまり密着しないようにして、いっしょにシャワーを浴びました。そのデリカシーを嬉しいと思いました。進さんがわたしを、わたしが進さんを洗ってあげましたが、そのときはお互いのからだに触れます。でも、それがあたりまえという感じでした。朝のキスや海岸でのキスといい、いっしょにシャワーを浴びることといい、わたしと進さんは、すこしずつ近づいていくように感じました。
 フランス料理店では、進さんがわたしに、ワインを飲みませんかとすすめました。お酒のときと同じように、口に含んで味わってみてねと言います。ワインは、もともと口に含んで味わうものだそうです。進さんが好きな白ワインです。お酒よりも、美味しいと思いました。わたし、ちいさなグラスですが二杯飲みました。料理も、とっても美味しかったです。

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