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嵐びーえる。

第18章 歌詞物語④

Sside


僕は、自然災害によって卒業式ができなかった高校生のため、合唱のピアノ伴奏に挑戦した。

が、ピアノなんてしばらくろくに触っていない。
言ってしまえば、ど素人も同然だ。



それでも、みんなの思いを聞いて、仕事の合間を縫って練習を積み重ねた。





けれど、じゅうぶんとは言い難く、耐え難い緊張に襲われた。


S「トイレ行ってくるわ」


N「ん」



ニノに告げ、トイレに逃げ込む。





S「ははっ。ダメだなぁ、僕」





ライブでもこんなに緊張しない。



だって今回は、一人だから。

否、独りだから。






メンバーはいつも一番近くで見守ってくれていたけど、それでも孤独感は消えなかった。



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