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【リレー小説】ルイーダの酒場

第16章 コンペイの塔

だが突然、巨大化した風船ようなメタルホイミキングがブルブルと震えだし、少しずつ縮みはじめた。

「なにか様子がおかしい」とムトが正気に戻る。

見ると、パームが口に細い筒をあてていた。

「パーム、なんでお前、ちくわなんか食ってんだ?」

「ちくわじゃねぇよ。毒針を吹いたんだ」

キングスライムはドロドロと溶けていき、やがて安っぽい王冠だけが残った。

エレベーターの中には、グッタリとしたホイミスライムとはぐれメタルが。

この2匹はキングスライムの圧力により、体内に閉じ込められ、吸収されただけで、同化したわけではなかった。

ホイミスライムは身の危険を感じ、逃げようとするが、圧力により、HPとMPを消耗してしまい、身動きが取れない。

死んでしまう……と観念したホイミスライムだが、一筋の奇跡が……。

相手の攻撃が一斉にはぐれメタルに向いたのだ。その隙に、はうようにして逃げるホイミスライム。だが、レミファのギラによって、さようなら。

そしてはぐれメタルにも、経験値ほしいほしいムトが、執念の一撃を食らわす。

魔物の群れをやっつけた!

レベルアップの効果音が、数分間鳴り続けた。

「やったやったぁー! 経験値、経験値ー!」

ムトはいつになくウハウハと喜び、優雅に舞った。マーニャのレッスンが、ここでも活かされた。


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