
刑事とJK
第51章 有人島サバイバル
〔メィヤワィヤ!!〕
シーザがそう言うと、またお祭り騒ぎが始まった
「…」
斉藤は悔しそうに、その場に座っていた
藤野は手の縄を解いてもらえたが
斉藤は、
また暴れ出したら危ないから
と、
腕だけでなく体ごと木に縛られた
人々は火を囲んで、美味しそうにご馳走を食べたり、歌ったり踊ったり…
南や飛鳥やシゲ、藤野は出された料理を食べた
斉藤の前には、何もない
飛鳥は、自分がもらった焼き魚を斉藤に持って行った
「まだ、何も食べてないでしょ?」
「いらねぇよ」
「斉藤さん…」
飛鳥は立ち上がって、ゆうひの方を見た
「もうちょっと…辛抱してね…」
「あ?」
飛鳥は焼き魚を置いて、戻って行った
代わるように、今度はシゲがやって来た
「先輩、はい、あ~ん」
シゲは一口サイズに切ってある果物を斉藤の口に持って行った
「いーらーねーっつってんだろ」
腕は使えないので、足でシゲの手を退けさせた
「美味しいですよ?
それに、何か食べないと死んじゃいますよ」
シゲは無理矢理、斉藤の口に入れた
「いらねって!!」
ペッと吐き出した
それを見ていた男が、怒って斉藤の顔を殴った
「先輩!!」
「いって…ぇなあてめぇ!!!」
斉藤は男に怒鳴り付けた
口答えするのか
と、男の手がまた上がった時
〔デルィカ!!〕
と、遠くからシーザが男を叱り飛ばした
男はシュンと落ち込み、手を下ろした
「…気にいらねぇ…」
斉藤は、どこか優越感に浸ったシーザの顔を殴り飛ばしたくて仕方なかった
そして、このよくわからない宴は終わった
ゆうひと、あの態度のでかい男に何があったのか、という…
疑問を抱いたまま…
