
刑事とJK
第48章 点を結ぶと
啓太は読める限りの書物を読んだ
小説に限らず、日本の古学作品や数学の証明、ハーバードの教授が書いた論文を日本語に翻訳したりなんかもした
そこまでが中学までの啓太だった
そんな中、啓太が高校に入学したあとに、兄の信太が結婚するという話が出た
家族全員そのことを大いに喜び、心から信太を祝福したものだった
「子供が出来たって!!?」
結婚から2年後、信太はそのことを家族に伝えた
「ああ、しかも双子だそうだ!!やったよ啓太~!!」
信太は涙目で啓太に飛びついた
「兄ちゃんおめでとうっ!!
僕もすごい嬉しいよ!!」
啓太も、そんな信太をがっちり抱きしめた
無事に双子が生まれた、という知らせが電話であった
「兄ちゃん、また見に行っていいかい!?」
《当たり前だ、いつでもこいよ!!》
啓太は信太の家を訪れた
「啓太さん、こんにちは」
明るい笑顔で啓太を迎えてくれたのは、信太の奥さんだった
「こんにちは、もう動いて大丈夫なんですか?」
「ええ、今まで家のことはあの人に全部任せっきりだったし、いつまでも寝込んでていられないわ」
素敵な笑顔だった
「えっと…こっちが弥生で、こっちが飛鳥?」
ゆりかごに並んだ二つのおんなじ顔
「違う違う、こっちが弥生でこっちが飛鳥だって」
信太はポンポンと赤ん坊の頭を触った
「一緒過ぎるんだよー」
「お前、あんだけ頭いいのに。なかなかこいつらの顔は覚えられないんだな」
信太は笑った
とても幸せそうに…
啓太は高校を卒業後、大学へ入っていろいろな研究に没頭した
しかし、大学生の間は、合間を縫ってちょくちょく信太の家に遊びに行っていた
「「あ、啓太おじちゃんっ」」
いつも声を揃えて、弥生と飛鳥は啓太を玄関まで迎えに来てくれた
「元気にしてるかああ?
弥生に、飛鳥っ」
啓太は二人を抱きしめる
まるで、我が子のように…
