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刑事とJK

第46章 あたしがあなたを好きなんだ



…なんで、こんなことに…



なんで弥生は死んだんだ?



斉藤のせいか



なんで弥生は俺を選ばなかったんだ?



斉藤のせいか




「全部全部…あいつのせいか」


南は一人、壁に手をついて呟いた


ゆうひや飛鳥との突然の出会いは、南を混乱させた


そして、今まで抑えてきた何かが解放された




―――――――――――




『あ、斉藤』



斉藤が刑事科室に戻ろうとしたとき、ゆうひと会った



「あれ、どうした?」



『公園に落とし物、はい』


ゆうひが斉藤に渡したのは財布だった


「あ、オレの…!!
わりぃなっ届けてくれて」


『しっかりしろよ~』



そこに飛鳥が通り掛かった



『あ』


「あ、ゆうひさん」


『ど、どーも飛鳥さん…』


ゆうひは苦笑いした


すると飛鳥はゆうひに耳打ちした


「斉藤さん、しっかり捕まえときなさいね」


『えっ、飛鳥さん!?』


飛鳥はグイッとゆうひの首に腕を回した


「わかったああ?」


『はいっはい、捕まえときます!!
くすぐったいっ飛鳥さん、くすぐったいです!!』


「ようし」


飛鳥は手を離し、斉藤の方を向いた



「斉藤さん」


「あ?」


「さっきのキーホルダー、特に意味はないですから」



「意味?」



「…そこは察してよ///
あれは…あたしが生きようとする証だから」


「…よくわかんねぇけど、わかった」



「ありがとう」



と、しゃべっているところに、南が早足で歩いてきた



「あ、南さん」


飛鳥がそれに気づいた


「え?」



斉藤が振り返った瞬間、南は斉藤の頬を殴りつけた



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