テキストサイズ

刑事とJK

第45章 恋ガタキ



―――――――――――


それから数ヶ月が過ぎた


弥生と話をするときは、いつもあの忌ま忌ましい名前が出てくる



『斉藤のやつ、犯人追っかけて足くじきやがったんだよ、なっさけなー』



村上はけらけらと笑うが、南はそんな気分にはなれない


つらい…


好きな女に、他の奴の話を楽しそうにされると…




「弥生…」



『ん?』




南は村上を抱きしめた



『お、おい、ちょっと…///』



「…初めて見たときから…弥生に惚れてたよ…///」



『南…///』



「好きだ…誰よりも弥生が…///」



村上はゆっくり南の体を離した



『…ごめん、
ごめん南…、あたしはあんたと、そういう関係にはなれない…』



村上の顔は、申し訳なさでいっぱいだった




「…斉藤か…?」




『違う…そんなことじゃなくって…』



と、否定しつつも顔を赤く染める弥生を見ていると、いたたまれない…




『南は…南だから、さ…』



「……」




南は薄く笑った





「…悪い…、忘れてくれ…」




南が立ち去ろうとすると、村上は言った




『…でも、あんたのことは嫌いじゃない…本当だ』



「…ありがとう」




村上のいたわりが、反って南にはつらかった




ストーリーメニュー

TOPTOPへ