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刑事とJK

第35章 VS




「先輩、紙置いときますよ」


「おう」



普段通り、斉藤とシゲは仕事部屋で書類整理をしていた



なんだか今日はやけに仕事が進むなぁ


と、斉藤は上機嫌だったが、それはつかの間のことだった



「なんだ、埃っぽい部屋だな」


と言って扉を開けて入って来たのは、二人の身なりのいい男たち


どちらも、そこそこの歳のように見える



そしてその面々はどこかで見たことがあった


「…何だあんたら?」



斉藤は尋ねた。するとシゲがヒソヒソと耳打ちした


「先輩、あの人たちですよ。
半年ほど前に僕らが解決した事件を横取りした…」



「…ああー」



斉藤ははっきりと思い出した



こいつらは、斉藤たちが解決したはずの○△連続殺人事件の手柄を横取りした上司たちだった


「どーも、で、何か?」



斉藤は立ち上がった



「服装バツ」


上司のひとり、本郷は斉藤の胸元を指差した



チッと舌を鳴らして、斉藤はボタンをひとつ留める



「まだバツ」



もうひとり、田沼が指差した



斉藤はイライラしながら、もうひとつ留めた



「今日伺ったのは他でもない。この部屋を私たちに明け渡したまえ」



「…今なんつった?」



「聞こえなかったか?
この部屋を私たちに明け渡したまえ」



斉藤は本郷の前に立った



「話が急過ぎてよくわかんねぇんすけど」



「君の頭はミジンコ以下だな」


「っ…」



シゲは反射的に斉藤を押さえた

「先輩、手をだしたらダメっすよ…!!」






と、そこへ藤野が入って来た



「すいませーん、今から斉藤刑事に面会、ということなんで、一旦出ていって貰えます?」



「……」



本郷と田沼は藤野をギロっと見て、部屋から出ていった



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