刑事とJK
第27章 ご賞味あれ
『…ねぇ、斉藤…』
「ん、何だ?」
『今日、斉藤ん家遊びに行ってもいい?』
「別にいいけど…何で?」
『うふー///』
ゆうひはとびきりの笑顔を作った
斉藤は、その一級品の笑顔に少し嫌な予感がした
―――――――――――
pm8時
『お邪魔しまーす』
ゆうひは斉藤の家に上がった
「…その荷物何だ?」
ゆうひは大きな袋を手に提げている
『これはね~…』
中の物を取り出すと、たくさんの食材が出て来た
内容的にお菓子を作るみたいだ
『学校の家庭科の授業で、今度デザート作るんだ。
でね、対抗戦で、1番きれいでおいしそうなデザート作った人には5000円もらえるの』
ゆうひの目はキラキラしていた
「5000円取る気満々ってことか…」
『うん、斉藤にはたくさん味見してもらおうと思って!!』
…オレは食うの好きだし、ゆうひの作ったもんは美味いし、まぁいいか
「わかった、味見してやる」
ゆうひは台所に行き、早速準備にかかった
しばらくすると、パンが焼けるような匂いがしてきた
斉藤の腹が鳴る
実はまだ夕食を食べていない
早く食いてー…
1時間が過ぎたが、ゆうひはまだ出てこない
お菓子作りって時間かかんだな…
2時間が過ぎたが、それでもまだ出てこない
「10時じゃねぇか…」
空腹で苦しかった
鼻には台所からのいい匂いが入ってくるのに、それでは腹は満たされない
逆に空腹感をこれでもかというほど誘う
「お預け状態じゃねぇか…」
斉藤は必死に堪えた
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