
刑事とJK
第21章 誘拐事件
―――――――――――
バンっと斉藤はドアを開けた
そこには吉川がいた
「お、斉藤じゃねぇか、お疲れー…」
「時間、あるか?」
「時間…10時か…
しゃあねぇな。用は何だ?」
吉川は帰ろうと思って背負っていた鞄を下ろした
「わりぃな…、この携帯の場所捜せるか?」
斉藤は吉川に、自分の携帯にあるゆうひのアドレスを見せた
「楽勝♪」
吉川は携帯を受け取り、パソコンの前に座った
「頼むな…」
斉藤はその部屋から出て行った
シゲはその後をついて行った
「先輩、吉川先輩ならすぐに見つけてくれますよ…」
ガシャンッ!!!
斉藤は廊下に置かれているごみ箱を蹴倒した
ゴミが散乱する
息を荒立てて、斉藤は壁に頭を打ち付け始めた
「せっ、先輩!?
やめてくださいよ!!」
必死にシゲが止めようとして、斉藤の体を後ろから押さえる
「オレじゃねぇか…、最後にあいつを見たのは、オレじゃねぇかよぉ…!!!」
「先輩…」
「あの後すぐに…誘拐だとか…オレが、いたのに…!!!」
「先輩…、今はゆうひちゃんを捜すことが優先です。
反省会なら、全部片が付いてから好きなだけしてください」
シゲは斉藤を放した
斉藤はシゲを見た
「…っはは…
お前に教えられるたぁな…」
「僕は先輩の後輩ですからね」
「ああ、そうだな…
悪かった」
斉藤は落ち着きを取り戻した
「おーい、場所出たぞー」
吉川が呼びに来た
二人は急いで吉川の部屋へ走った
