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分け合う体温

第3章 押し倒されて

「でも、何で?担任の先生じゃなくて、音楽の先生?」

「あら、高木先生。学校では、理人と仲がいいって言ってたわよ。」

「へえーへえー。」

私は改めて、理人を見た。

箸を口にくわえて、ぼーっとしている。


「理人?」

話しかけたら、上目づかいで、見られた。

その視線、反則。

「今でも、仲いいの?その先生と。」

「いや、今はそんなに。」

理人はまるで、私に訴えるようだ。

「そう、なんだ。」

ちょっと安心。


それにしても、理人。

同級生の女子とも仲いいと思っていたけれど、女性教師とも仲良くなっているとは。

侮れない。


「モテるね、理人。」

「まあまあね。」

理人の返事に、お父さんが笑った。

「まるで、俺の若い頃にそっくりだ。」

「ええ!?」

お母さんと一緒に、驚いた。

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