
分け合う体温
第3章 押し倒されて
今日の理人は、好物の焼肉だったからか、次から次へと、箸を口に運んでいた。
食べっぷりが良くて、見ているだけで、ほんわかしてくる。
「由乃。沢山食べないと、理人に全部食われてしまうぞ。」
お父さんが言った。
「ほらほら、焼けたわよ。」
お母さんが焼けたお肉を、私に分けてくれる。
「ありがとう。」
どこにでもある、家族団欒。
両親は、私と理人が愛し合っている事を、知る由もない。
どこか、嘘が混ざっている家族。
でも、その嘘を作っているのは、誰でもない私達なのだ。
ああ、言ってしまいたい。
私と理人は、恋人同士なんだって。
そして、喚き散らして、切り裂くように怒ってほしい。
いつか理人が、『俺を蔑め!変態だって罵れ!』って言っていたけれど、今ならその気持ちが分かる。
食べっぷりが良くて、見ているだけで、ほんわかしてくる。
「由乃。沢山食べないと、理人に全部食われてしまうぞ。」
お父さんが言った。
「ほらほら、焼けたわよ。」
お母さんが焼けたお肉を、私に分けてくれる。
「ありがとう。」
どこにでもある、家族団欒。
両親は、私と理人が愛し合っている事を、知る由もない。
どこか、嘘が混ざっている家族。
でも、その嘘を作っているのは、誰でもない私達なのだ。
ああ、言ってしまいたい。
私と理人は、恋人同士なんだって。
そして、喚き散らして、切り裂くように怒ってほしい。
いつか理人が、『俺を蔑め!変態だって罵れ!』って言っていたけれど、今ならその気持ちが分かる。
