
仔犬のすてっぷ
第4章 攻防戦?!
いや…そこまでやらせちゃ、イカンでしょ?!
……と、囁く天使と
いいじゃん。もっとしてもらえ!!
……と囁く悪魔が僕の頭の中、左右に現れて、マンガのお約束ごとく、ひらひらと飛んでいる。
(…まあ、こんな場合、大抵悪魔が勝つんだよね〜)
右肘の怪我を理由に、甘えるチャンスはそんなには残されていない。
好き、嫌いは関係なく単純に、女性に甘えられるのは、今を置いて他に無い!
お、愚か者めぇ〜……
……はい、天使様、瞬殺で退場しました(笑)
「じゃあ…お言葉に甘え…ようかな……」
「優ちゃんったら、甘えん坊だねぇ……仕方無いなあ。
今日だけ、だからね☆」
そう言いながらくすりと笑った淡海ちゃんが、背後から近付いて来る。
かちゃっ…と、食器とスプーンが当たる音が聞こえる。
ただ、食べさせてもらうだけなのに、妙に胸が高まって。
(…ごめん、淡海ちゃん!僕は誘惑に負けました……)
心の中で、涙を流して謝りつつ、しかし、食べさせてもらう気満々の僕は淡海ちゃんからの声掛けをワクワクして待つ。
「・・・はい☆あ〜んして♡」
…なんだぁ、淡海ちゃんも食べさせる気満々だったんじゃん?
僕は声の方へ顔を向け
「あ〜ん♡」
と、口を開け、スプーンを口にくわえる。
