
🏠️家庭内恋愛💕
第4章 祖母の家
葬儀が終わり、会食が始まるも――――…史朗と佳代子は暗い表情のままだった。
思い当たる節がある…。
佳代子はこれまでに何度かお付き合いした相手がいた…しかし、どれも長くは続かなかった。
それは、史朗も同じで、そのスパンは――――長くて一年、短くて3ヶ月…と、誉められたつきあい方はしていなかった。
「ねぇ…お婆さんの家ってどうなるの?」
「そうねぇ…当分はあのまま――――…引取り手もないし…税金もかかるしねぇ…。
取り壊してさら地にして売るって、姉さん夫婦の案が出てるわ」
佳代子は会食の合間に母に祖母の家がどうなるのか聞いた。
一人で暮らしていた祖母の家は、佳代子の母や史朗の母が嫁いだ時にリフォームはしたものの…相当ガタが来ていた。
――――取り壊される…
そう聞くと――――なんだか…胸の奥がグッと押し潰された。
「ねぇ…今日――――…お婆さんの家に泊まっていい?最近…行ってないし――――…最後かも…って思ったら…」
「そうねぇ――――…お婆ちゃんも喜ぶかも…、お婆ちゃんが生きてた時のまんまだから、一泊や二泊…余裕でしょ?姉さん夫婦から鍵もらってらっしゃい」
佳代子は叔母夫婦から祖母の家の鍵をもらい――――会食を抜け出した。
