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星が輝く夜に

第1章 プロローグ

 眩いネオンに目がチカチカする。いつもなら足早に通り過ぎるここを、私は今男の人に手を引かれて歩いていた。まさかの展開に自分でも頭がついていかない。どうしてこんなことになったのか。私を置いて帰ったみやちゃんを本気で恨みたい。

「ここでいい?」

 振り向いた彼からは特に欲望やら焦りといった感情は見られない。体の関係を持つ直前って、男の人はそんな感情でいっぱいになるのだと思っていた。……まあ、そんな経験ないから知らないけど。
 体をべったりと密着させて歩く男女。ホテル街。そんな彼と物怖じしている私は、この場に不釣り合いな気がした。

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