ひなとDoctors 〜柱と呼ばれる医師たち〜
第78章 わたしの心臓
「黙ってるってことは、怖いんだな。」
わたしの目を見ながらまた話を続ける五条先生。
「まぁ、聞かなくても最初からわかってるけど。」
ほら、やっぱりわかってるんじゃん。
だけど、わたしだってわかってるよ。
次に五条先生が何を聞いてくるかってことくらい。
そう思いながら、五条先生の目を見つめてると、
「ひな?手術は何のためだった?どうして手術した?」
「え?」
"なんで怖いんだ?"
"なにがそんなに怖いんだ?"
次に来る質問は絶対これだと思ってたのに、怖いの"こ"の字も出てこず。
思わず、え?と言ってしまった。
「ひなが手術したのはなんのためだったって。どうして心臓の手術が必要だったんだ?」
「し、心臓の穴を塞ぐため…?」
「うん、そうだな。それって、ひなの心臓を傷つけるためにしたか?」
「え…?」
五条先生の口から出てくる言葉に思考が追いつかない。
なんで怖いかなんてわかんないよ!でも怖いの。五条先生にわたしの気持ちなんてわかんない!
って言ってやろう。
それしか言葉を用意してなかったから、予想外の会話の流れに口吃ってしまう。
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