
ひなとDoctors 〜柱と呼ばれる医師たち〜
第69章 お父さんの心配事
「おはようございます。」
「ひなちゃん、おはよう〜。」
ダイニングでハーブティーを飲むお母さん。
でも、お父さんの姿が見当たらない。
「あれ?お父さんは…?」
「お父さんはお仕事に行ったわよ。ひなちゃん、今日は起きるのゆっくりだったわね。」
言われて時計を見ると、もう9時前だった。
「え?お、お母さんごめんなさい。わたし寝坊したみたいで…」
そう言うと、お母さんがわたしの方に来て、
「夏休みなんだから寝坊じゃないわよ。せっかくのお休みだもの、毎朝ゆっくりでいいのよ。それより、ひなちゃん顔赤いわね?」
ギクッ…
「そう…ですか?寝過ぎかな。ちょっと暑かったからかな。へへっ」
って誤魔化してみると、
「あら、そんなに寝室暑かったの?」
って、わたしの頬を両手で包んだお母さん。
あっ…
と思ったら、
「あら?ひなちゃん、お熱あるじゃない。」
って。
触られたらバレるに決まってる。
バレたものはもう仕方がない。
それに、お母さんの手が触れた瞬間、なぜか急に甘えたくなってきちゃって、
「お母さん…しんどい……」
自分でも少しびっくりだけど、しんどいって素直に言えた。
