ひなとDoctors 〜柱と呼ばれる医師たち〜
第57章 呼び起こされた過去
「ん…んん………」
目が覚めると外は真っ暗。
棚に置いてあったスマホに手を伸ばし、時間を見ると朝6時。
あぁ、寝ちゃってたんだ。
ご飯も食べてないからか、左腕には点滴もされてる。
藤堂先生、ご飯の後に来たんだろうな。
この点滴、姫島さんがやったのかな…?
「…気持ち悪い。」
ブチッ…
姫島さんに手を下されたのかと思うと、嫌で嫌で仕方なかった。溢れ出る血の感覚が腕を伝っていく。
また点滴引き抜いちゃって、五条先生にバレたら怒られちゃうかな…。
わたしって、ずっと五条先生怒らせてるな…。
それなのに恋してるなんてね。
好きなんて、口が裂けても言えないよ。
というか、わたしが五条先生を好きになるなんてもう許されない。
わたしは汚れてるんだから…
あの人に汚されたんだから…
こんな汚いのに、五条先生が好きだなんて何様だよね、五条先生がわたしなんか好きになってくれるわけない。
五条先生どころか、わたしを好きになる人なんてこの世にいない。
やっぱり消したい、この身体…、つらいよ…。
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