
ひなとDoctors 〜柱と呼ばれる医師たち〜
第124章 三度(みたび)
「え?う、ううん!別に?」
夏樹「今顔しかめてただろ。最近よく水も飲んでるし。水飲むと一時的に治まるからだろ?昔ドラマでも見たぞ。」
「いや、そんなことないよ。本当に大丈夫だから。」
夏樹「食欲も落ちてきてないか?」
「ちゃんと食べてるじゃん。」
七海「ひなのって、食欲落ちるとパンを好むようになるんだよ。元気な時はおにぎりをよく持って来てる。食堂行っても、オムライスじゃなくてうどんになるんだよね、食が細い時は。軽いものを口にするようになるの、自分で気づいてない?」
という夏樹と傑の前にいるわたしの手には、さっきコンビニで買ったスティックパンが。
「そんなことないと思うけど。たまたまご飯の気分もあればパンの気分もあるでしょ。それが順番に来てるだけで。」
研修医になって忙しい中でも、時間が合えば3人でごはんやおやつを食べる。
今もお昼を食べながら話していたところで、夏樹と傑になんか嫌なことを言われている。
夏樹「なぁ、兄貴に1回診てもらったら?」
「どうして何もないのに診てもらう必要があるの。」
夏樹「診てもらって何もなければそれでいいだろ?健診ってそういうもんじゃん。」
「何もないなら診てもらわなくていいよ。健診だって結構疲れるというか、エネルギー消費するの。その時間とエネルギーをわたしは勉強に費やしたい。」
夏樹「ひなのさぁ…。」
七海「悟くんに言っておこうか?」
「言わなくていいから。夏樹も工藤先生に言わないでね。もちろん五条先生にもだからっ。」
