ひなとDoctors 〜柱と呼ばれる医師たち〜
第117章 変調
わたし、今日は本当に無理かもしれない…。
実習は原則休んじゃいけない。
通常の講義とは違って、どうしても休む場合には欠席届を提出しなきゃいけない。
そもそも大事な実習を絶対に休みたくはない。
でも、立てない。
「ハァ…ハァ……どうしよう…。」
家を出る時間も迫り焦るせいか、また冷や汗が出て、心臓も速くなって、パニックになりかける。
「ハァ…、ハァ……」
そうして地べたに座り込むうちに、時間がどんどん過ぎていき、
もう、ダメだ…。
どうしたって間に合わない時間になって、ポケットからスマホを取り出し、大学に欠席のメールをした。
「……グスン…グスッ、……グスン…」
泣きたいわけじゃないけど、自然と涙が溢れてくる。
でも、仕方がない。
この身体じゃ、ノワールに着く前に道の途中で倒れてしまう。
とにかく休もう。
1日休んで、明日からまた行ければもうそれでいい。
「グスン、グスン……ハァ…」
ベッドでちゃんと休みたいけど、寝室どころかソファーまでも身体が動かず。
その場で横になって、まぶたを閉じた。
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