
ひなとDoctors 〜柱と呼ばれる医師たち〜
第103章 愛のちから
「ハァ…ハァ…ごめ……なさぃ…」
藤堂「うん?ひなちゃん、先生たち怒ってないよ。ごめんなさい言わなくていいんだよ。」
ううん、違う。そんなことない。
「ハァハァ、ごめ……なさ…」
藤堂「身体、熱くてしんどいね。お目目瞑って休もうか。」
あんな酷いこと言ったんだから、ちゃんと謝らないといけない。
ごめんなさいって、わたし、ちゃんと言いたい。
なのに…
五条先生は、どうして来てくれないんだろう。
五条先生、今何してるのかな。
小さい子に泣かれたりしてるんだろうか。
いや、わたしじゃないんだから、きっと五条先生は優しい人気者で、「ごじょおせんせぇー!」って、慕われてるんだろうな。
それとも、今日はお休みで家に居たりするのかも。
わたし、もう何ヶ月家に帰ってないっけ。
パッキング途中のキャリーケースは広げたままで、あれこれ詰めようとしていた物もベッドやソファーに散らかしたまま。
留学準備真っ最中だったわたしの部屋は、荒れ果てているに違いない。
