ひなとDoctors 〜柱と呼ばれる医師たち〜
第94章 First kissと…
『………。』
何がどうなったのか、一部始終はわからない。
ぎゅっ…
と、五条先生が抱きしめてきたのは確か。
でも次の瞬間には、
ふわっ…
と身体が浮いたような感じがして、
音もなく、衝撃もなく…
瞬きすらしてないのに、背中がベッドに預けられてて、五条先生の顔が目の前に。
あまりに一瞬のことで、心臓もぽかーんとしてしまい、鼓動は早くも強くもならぬまま。
わたしはただ物理的に、五条先生を見つめ返す。
すると、
「なぁ…ひな……」
ドキッ…!!
耳にするだけで身体が疼いてしまいそうな、
甘く、優しい…
吐息がかった声を落とされて、初めて聞かされるその甘美な声に、黙りこくってた心臓が大きく跳ね上がった。
そして、呆気に取られていたわたしの意識はすべて五条先生のもとへ…
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