ひなとDoctors 〜柱と呼ばれる医師たち〜
第83章 王子か鬼か
「おはようございます!」
とにかく、こういう時こそまずは元気に挨拶。
すると、
「ひなちゃん、いつからしんどかった?昨日よりしんどいでしょ?」
「…え?」
どうして来た瞬間バレた…の……?
藤堂先生、あなたはどうして今わたしのおでこに手を…?
「これ熱上がってるよね。祥子ちゃん何度だった?」
「36度9分でした。ただ、血圧測る時に腕がかなり熱くて、私の感覚では38度はあるように思います。」
嘘、祥子さんにもバレてたの…?
「うんー?ひなちゃん、もう1回熱測ろうか。」
と言って、藤堂先生直々に体温計を挟まれた。
でも、挟むまでで押さえてはこなかったから、わたしはこっそりまた浮かしてみたら…
「…ひ〜な〜ちゃん?何してるの…?」
ギクッ…
藤堂先生の柔らかくない、優しくない、鋭くて冷たい声が…
「な、何も…たた、体温を測って…」
と言うと、脇から体温計をサッと抜き取られ、電源を入れ直してもう一度脇に挟まれた。
そして、今度はわたしの脇をしっかり上から押さえられる。
ピピッ…
そして体温計が鳴って、もちろん藤堂先生にサッと取られ、
「38度4分。これ、自分でも熱上がってるのわかってたよね。どうして体温計浮かしてたの?」
って。
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