
不純異性交際(下) ―それぞれの未来―
第31章 恋愛成就
もうすぐ到着という頃にシュウトは眠ってしまい、私たち大人3人はクスクスと笑い合った。
「ね、ぶっちゃけ2人って付き合ってるの?」
突然のサッちゃんの問いかけに、私は驚いてしまった。
瀬川くんを見ると、彼は歯を見せて笑い、「そういう事になるね。…なぁ?」と私に投げかけた。
「やっぱりーーっ!年末のキャンプの時も仲良さそうだったけど、本当に付き合ってるんだ!」
「あ、あの時は、まだ…あれだったけどね…?」
「瀬川くん、長年の恋が実った感じじゃない?ミライちゃんが転校してから…-」「おい、やめろ(笑)」
その先が気になったが、ひとまずおとなしく笑った。
中学時代、紀子と同じバレー部だったサッちゃんは、おそらく離婚のことも知っている。
「色々あるよね、人生」
…そういえばサッちゃんもシングルマザーなんだ。
「そうだな(笑)」
瀬川くんが答えると、今気づいた様子でサッちゃんが喚く。
「っていうかここに乗ってる3人、みんなバツイチ?!笑えな~~い!!(笑)」
そうこうしているとキャンプ場に到着し、前回のように平野がそれぞれの担当を読み上げていった。
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夕方、BBQをしながら瀬川くんの隣で談笑していると綾香ちゃんがやってきた。
「やっほ~、ミライちゃん♪」
「あ、綾香ちゃん久しぶりだね。元気?」
肉を焼きながらギャーギャーと盛り上がるアンナや平野を横目に、私は綾香ちゃんと乾杯した。
やがてコウヘイくんがやってくると私は一瞬身構えたが、以前とは違った和やかな態度にホッとした。
「コウヘイくん、お酒あるう?持ってこようか?」
綾香ちゃんは今日もコウヘイくんに献身的に尽くす。
「あ、あぁ…じゃあビールお願い」
「はあ~い♪」
缶ビールを持った綾香ちゃんと一緒に、肉をたらふく食べて満足した様子のアンナと平野もやってくると、改めて皆で乾杯した。
「綾香ちゃん、コウヘイくんの事そんなに甘やかしちゃあダメだよ~~?」
アンナが言うと、「そうだ、そうだ」と平野も賛同した。
