
くるみの初恋、高校教師。
第7章 昼休み
「お、美味しそうなお弁当。いつも作ってるの?」
「はい」
「くるみちゃんはいいお嫁さんになりそうだね。」
「せ、先生!あの、今、くるみちゃんって…」
「それがどうかした?」
「学校なのに。それに先生だし。」
「だってさ、くるみちゃん、マンションでは全然会えないし、朝なんて毎日同じくらいの時間に出るはずなのに、わざと俺と被らないようにしてるでしょ?
授業中もずっと下向いてて顔上げないしさ。」
「それは…」
「俺のこと嫌い?」
「そうじゃありません。
ただ、担任の先生が隣に住んでるなんて、なんかどうしていたらいいのかわからなくて。
初めて会った時、先生なにも言ってくれなかった。」
「ちょっと〜。初めて会ったのって、マンションで会う前に教室で会ってたんだよ?
先生のこと全然見てなかったのくるみちゃんでしょ?」
「そ、それはそうですけど…」
「だろー?なんでずーっと下向いてるの?」
「あまり目立ちたくなくて…人と話すの苦手だし。
なのに、さっき先生私のことあててくるし。」
「それはずーっと下向いてるから、当てたら顔上げてくれるかなーと思ってさ。
でも、学校ではともかくさ、なんで家でも避けるの?
なにかあったら俺にってお父さんに言われなかった?」
「な、なにも困ってることないので。」
「そう?でも、昨日の夜、お風呂のお湯出なくなったでしょ?」
「なんでそれを!?」
「小さく叫び声が聞こえてたよ。
きゃっ!冷たい!って。
それに、うちのお湯も出なくなったしね。」
「そんな…」
