
❇️片暉の残照❇️
第12章 お茶会と緊張の挨拶
「サンドラ様…まずは、我々にではなく…主催者に挨拶するのが筋でございます――――」
と、お兄様はサンドラ様をメインテーブルへと進ませようとするが…、向かわせようとするお兄様に対抗してか…ピクリとも動かない。
よっぽど…コーテル様と反りが会わないのだろうか……大人げない…。
そんな事をお兄様の後ろで思っていると…
「///サンドラ様ぁ~!」
と、聞き覚えのある声に私はビクッと体を固くした!
「――――クソ…また…面倒臭いのが…」
サンドラ様は声の方に振り向くとスッと無表情で声の主に目を向けた。
「サンドラ様――――、先日は植物研究所でのご公務お疲れ様でした」
その声の主は、やはり赤毛をなびかせ優雅に歩くインギル公爵令嬢だった。
