
❇️片暉の残照❇️
第11章 奇跡の王
家族と離れるのかぁ…少し寂しい――――
「テイス――――また、明日来るわ…、ただし安瀬にしているのよ!分かった?それと、何かを欲しいものがあったらニコルでもキロでもいつでも伝言を持たせなさい!いいわね!」
ニコルとキロはお母様に役を任され「はい!」と、大きく返事をしていた。
欲しいものなどないですよ?と、言おうとしたが、お母様の目が真剣だってので言葉を飲み込んだ。
「さあ、テイスを休ませましょう――――」
この言葉でお母様もお父様も部屋を出ていったが、お兄様は扉の前で「また、後で」と、手を振ってくれた。
「へへへへ――――はい」
一応――――救急で運ばれてきた私である…病弱にしていた方がいいのだろうけど…
昨日の夜――――ロミ様に不安や恐怖を泣きながら話したことにより気分はスッキリしていた。
